理事長挨拶
当法人は、昭和44年4月にへき地 保育所「崎山保育園」を開設し、翌年6月には、社会福祉法人さゆり会を設立して今日に至っており、2020年は法人設立50周年の大きな節目の年に当たります。半世紀という長い年月の間、絶えることなく事業を継続できたことは、ひとえに地域の皆様方、開係者の皆様方の地域福祉に対する深いご理解と惜しみないご支援の賜物と心から感謝を申し上げます。
現在当法人では、児童福祉、高齢者福祉、障害者福祉の3分野における事業を展開していますが、どの分野においても若者流出及び人口減少、高齢化率の進展といった離島ならでは特殊性とも相まって事業の経営環境は大変厳しい状況にあります。とりわけ職員の確保と育成の問題は最も喫緊の課題となっています。そうした中、2020年4月から法人として初めて外国籍の方を職員として採用致しました。今後においても継続的に外国籍の職員は増加が見込まれているところです。外国籍の方々を受け入れることは、異文化間での考え方の違いから軋轢が生じる可能性もあり、一抹の不安もありますが、地域の皆様方の福祉事業に対する幅広いニーズや需要そして期待に応えていくためには、是非とも法人一体となって乗り越えなければならない課題だと考えています。
また、そうした課題への取り組みと同時に、今後の法人の継続性の視点から、次世代を担う人材の登用と組識体制の見直しを図っていく必要性を強く感じています。そうした意味で次の10年は、事業運営を担う中心的役割を次世代へと移行していく準備期間として位置づけています。職員の皆様方にもそうした思いを是非共有して頂き、相互信頼の下に共に歩いて頂けるよう、あらゆる機会を通して対話することを心がけて参りたいと思います。
当法人では、これまで経営理念として「先駆・共生」を掲げて参りましたが、この経営理念については、これからもしっかり堅持して参りたいと思います。加えて今回50周年を記念して、新たに法人としてのキャッチコピーを「寄り添う心から繋がる未来(あした)と決定させて頂きました。どこまでも寄り添う心を大切にしながら、利用者の皆様方が尊厳を持って、その人らしく、自立した生活ができるような支援を常に心がけて参ります。
今後も経営理念を愚直に実践していくことで、サービス利用にあたって、利用者並びに地域の皆様方から優先的に選択して頂ける事業所づくりを目指すと共に、誰もが安心して暮らせる街づくりの拠点となり、ひいては地域福祉の充実発展の一翼を担える法人を目指したいと思いますので、皆様方のさらなるご指導とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
理事長 林田輝久
令和2年4月